ストロベリーショートケイクス
最近1週間に2〜4枚くらいDVDを観ているんだけど、これは今のベストDVD
感動するとかじゃないし、観て清清しい気持ちになるわけじゃない。
痛々しいし脆いし危うい
東京で暮らす職業も性格も恋愛観も違う4人の女性のそれぞれなんだけど、私はデリヘル嬢秋代に惚れてしまった。

東京の夜空は星なんて見えないけど、東京タワーの明かりはやさしい。
開け放たれた窓から入ってくる風は温いけど傷ついた心を慰めてくれる。
というか
なかでも中村優子さん演じるデリヘル嬢秋代がいい。
主人公の女性4人中3人が豪快にタバコを吸うのもいい。
秋代なんてHOPEだし!!!

秋代は同級生の菊地(安藤政信)への気持ちを隠してただの友達として時々のみに行く。
それが彼女の生きている意味といっても過言ではない。
菊池には彼女がいる、自分は完全な友達。それがひっくり返らないことは分かっている。

デリヘル嬢として働く時は体のラインの出るスーツにピンヒール。
だけど菊池と飲みに行く時は、Tシャツにデニムで足元はスニーカーそしてスッピンにメガネ。

ある日秋代は菊池が彼女といるのを目撃する。
その後決心する。菊地の家で飲むことを提案して、何だか落ち着かない雰囲気の中

「1回でいいからHしようか」

1回でいいからっていうところにすごく痛かった。
私も元彼と別れた朝、最後に彼の記憶を刻みたいと思って「最後にしよう」と言ったもん。

この1線を越えてしまったらもう戻れないということは分かっていた。
でも、この1回のセックスを体に刻んで死ぬまでの時間を生きていこうと決心する。

デリヘル嬢というセックスを売る仕事。その秋代にとって好きな人との最初で最後のセックス。泣けた。

ハダカなんてバンバン出てくるし安藤政信とのシックスナインのシーンもあったり15Rになっているけど
何だろう、こんな優しくて哀しいセックスシーンは初めて観た。

エンディング間近、秋代が赤ちゃんのエコー写真を見ているシーンがあって
すごく救われた。
正解かどうかは自分自身が決めること。

ただ一点気になったのは、岩瀬塔子演じる塔子の過食嘔吐シーン
そんな体勢じゃあゲロ出てこないよ。と(笑)

久々にグッと心臓を掴まれる映画でちょっと入り込んでしまい1日2回のペースで観てしまった。

『ストロベリーショートケイク』
原作:魚喃キリコ
監督:矢崎仁司
脚本:狗飼恭子
出演:池脇千鶴 中越典子
   中村優子 岩瀬塔子
   加瀬 亮 安藤政信
月

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